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天城越え

イチロー選手今季の登場曲は「るんるん天城越え」
アメリカMLBのボールパークに日本の演歌が初めて流れる…

「えぇんかぁ?」(笑)

なんてダジャレも空回りする位ビックリだけど、いかにもイチローらしい。

紅白で聞いた「津軽海峡冬景色」が気になって(なんでも全歌手の中で一番力が抜けていてしかも素晴らしい歌唱だったとか)
一月にわざわざ自分でチケットを購入して出かけたコンサートで
最後に歌われたこの曲に感銘を受けたらしい。
今年の彼のテーマが「越」だったことにも運命を感じたそう。

それを読んで私も30年前(古あせあせ(飛び散る汗))の石川さゆりさんの事を思い出した。

私は金の無い芝居屋で、どんなバイトでもしなければならない程ビンボーだった。
だから回ってきたショーダンスのバイトも受けたんだ…ダンス?自信なんてあるもんかいな(笑)
で、踊ったのが「いしかわさゆり歌謡ショー」の休憩時間、幕間の20分だった。
ショーが大きなカクテルラウンジであったので、お客は酒を呑んでいる。
まだ二十歳くらいの石川さゆりさんは津軽海峡のヒットもまだ。
自分の曲も少なくて、美空ひばりさんの歌なんかも歌っていたように記憶している。

私にとって単なるメシのタネ、恥ずかしい踊りあせあせ(飛び散る汗)をさっさと済ませて帰るだけで、主役の歌手にはなんの興味も無かったさ。
それが、なんで強烈な印象を残しているかと言うと、楽屋で準備しながらバンドの音合わせを聞くともなく聞いているところに

「ケッ、何様のつもりだい、あのガキ、自分をひばりと同じだとでも思ってんのか?」

とバンドボーイが入って来たからだ。
彼は私に同意を求めるように
「なあ、やってらんないよ、ただの音リハだよ、ここがあそこがってエラそーに、いい加減にしろっての、どうせすぐ消えるくせにちょっと上手いと思って天狗になってよお」とぶつぶつ言い続ける、言いながら何だか近寄ってくる…来るな(笑)
そいつと二人きりになるのもイヤだったので生返事をして私はそっとステージを見に行った。

ゼラの入っていない生明かりに大量の埃が舞っている。
その中に普通のワンピース姿の少女と言ってもいい姿があった。
甲高い声でバンドの誰かに怒りをぶちまけている、心なしか白けた雰囲気が漂い「独り相撲」と言う言葉が頭に浮かんだ。
メイクもまだの顔は大人に負けまいとぴりぴりしている、考えたら周りはみーんな彼女より年上ばかりなんだ。
ようするに「ドサまわり」の小さなステージ、いい加減にやっとけと思っている私のようなヤツばかり
そんな中であの子は独り「そこは違うでしょッ!何度言わせるの!」とイラだった声を張り上げているのだ。

今ならその気概を天晴れと思い、なかなかやるじゃんと微笑むところだが、
当時の私は「コワー目、ヒステリーだなあ、あの子」と目を合わさないようにしていた。

それ以来、演歌に接点は無くとも「石川さゆり」と言う名前は常に私の中にあり
「津軽海峡冬景色」は絶対演歌は歌わないと思っていた頃から好きな歌だ(今は歌う!仕事柄古い歌ばかりだけど)。
「石川さゆり」さんはしっとりとしたいいオンナに成長し、それこそイチロー選手の言う通り
「力の抜けた」自然体で歌えるオトナの歌い手になった。

メジャーの球場に流れる演歌にのって打席に入るイチロー選手…
早く生で観たい、行くのが今から楽しみだ。

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